コンパウンドでは出来ない「削らない磨き」ってどういう事?~不純物は除去します!(動画解説)

こんにちは、リキュウコートです。

今回も動画の解説を行います。


今回紹介する動画は以前に同じドアパネルを使って検証した3本の動画の完結編です。


諸事情により間があきましたが、何故?この損傷パネルを使って検証を行いたかったのかという意味も含めて解説して行きます。 

※ №90の動画でご確認下さい。


事故による強い接触による擦傷を受け対象物の白い塗料が焼き付いた損傷を、コンパウンドを一切使わずにボディコート剤である「マルチコート剤」で除去するという検証です。


損傷部を3つに分類し初心者でも簡単に除去出来る磨き方やDIYサンダーでも強い磨きが出来るという事例の紹介で動画を作製しました。 


今回紹介する事例は一番酷い損傷で、3本目の動画でDIYサンダーが何処まで通用するのか?と言うテーマで検証し、時間切れと言う形で断念した動画の続きです。 


断念したという結末では意味のない検証で終わってしまう為に、期間はあきましたが完結させる為に今回紹介する事にしました。


今回のテーマはマルチコート剤の「削らない磨き」と「除去能力」を証明する検証です。

※ 前回DIYサンダーで磨いた範囲 

※ DIYサンダーによる7分間の磨きの成果 


3本目の動画でも同じテーマだったのですがDIYサンダーの回転運動の無い磨きでは最後まで磨く事は難しいと判断し時間切れと言う形で終了しました。


今回は前回除去出来なかった取り残しも含め、私が仕事で使用しているギヤアクションサンダーを用いて、全てを除去出来るかは分かりませんが本気で最後まで磨くという目的で検証した動画です。


前回のDIYサンダーで磨いていた実感でギヤアクションサンダーでも容易ではない事は予測が出来ていたので、全てを除去出来るという甘い考えは持っていませんでしたが、回転運動がある為に多少は希望は持てましたが、最初にコート剤を塗布した磨きで愕然としたというのが正直な感想でした。

※ パネルの中で一番酷い擦傷の白い塗料の焼き付き状態 


磨き始めの感想は全く歯が立たないという感じでした。(無理だ!) 


同時に前回7分間の磨きで断念したDIYサンダーって凄いのだ!とも実感しました。 


回転運動の無い磨きで、一部とはいえ除去出来たと感心したと同時に見直しました。


話しは戻しますが、磨いている間もギヤサンダーでも途中で断念したら動画もボツになるとか、頑張って最後まで磨いても相当長い時間が掛るので、どうやって動画編集すればいいのだろうと考えながら磨いていたので集中出来ませんでした。


通常では固着した不純物であっても特殊なクリナー成分が浸透し軟化させ掻き取る事が容易に出来るのですが、今回の場合は白い塗料と言う固形物が圧接により固まっている為に、いつもの様に上手くはいきません。


しかしコンパウンドでも削る事は得意な性質により簡単に除去出来ると思われがちですが、硬く焼き付いた白い塗料はドアパネルの本来の塗装と同様であるとも言えます。


粗い粒子のコンパウンドであれば、削る能力はありますがドアパネルの塗装も同時に削る可能性も高くなります。 今回の様に損傷部全体が波打つような凹凸だらけの箇所ではなおさら塗装を剥がすリスクは高まります。


その様な意味においても今回の除去しながら周囲の塗装を剥がさないという、2つの事を同時に行えなければいけないという大変難しい事例という事です。


その意味で当初から能力証明で検証したかった題材だったのです。 見る側の一般の方にとっては単なる自慢動画の様に見えると思いますが、技術面では大変貴重な検証で、紙一重の仕事をしているプロの方には興味を持つ検証だと思います。


今回は長い時間の磨きの為に編集が難しかったので、一回のコート剤の撒布により磨きを2~3分程度行いますが、その冒頭部の30秒間をトリミングし伝えする事にしました。


合計10回のコート剤の撒布と合計の磨き時間は約25分程度の磨きで完了しました。 


その中で3回目のコート剤の塗布の辺りから塗料の除去が進み出しました。


白い硬く焼き付いた塗料も不純物には違いはありませんが、さすがに固形物なのでいつもの様な訳にはいきませんが、少し浸透が進み焼き付きが軟化してきたのではないかと推測されます。


表面の塗料は除去されて来ましたが、傷口に入った塗料やパネルの端等では十分な磨きが難しいので後半は磨きの技能面で難しい磨きでした。 


パネルの端(エッジ)はマスキングしておりますが、損傷によりパネルが折れている為に、非常に難しい磨きで、同時に塗装を剥がすおそれもあり手間取りました。 


何とか自分の納得する所まで磨きましたが一部(パネル下部)は残りましたが、それはコンパウンドを使っても無理だと思いますので、これが限界だと思える所まで磨けたと思います。


最後の塗装を剥がさない検証ですが、見るかき切りにおいて塗装を剥がした箇所は一ヶ所も見つける事は出来ませんでした。

※ DIYサンダーとギヤアクションサンダーによる33分の磨きの成果 


結果として、同じ範囲を合計30分を超える磨き・摩擦を受けても塗装が剥がれなかったという事は「削らない磨き」を立証できたのでは私は思います。 


コンパウンドの磨きで塗装を削る事が怖いという理由が一般の方の意見である為、この「削らない磨き」というのは私にとっても大事な証でもあるのです。


この証により無謀な磨きでも塗装を剥がさないから安心と言う意味では決してありませんが、少しは恐怖心を解消出来る証になれば良いと思っております。


一見すると意味のない磨き・検証に思えますが、これまでの経験でも今後においても最大に困難な磨きでしたので完結できて良かったと思います。


最後までお付き合い頂き有難うございました。 

気になった方はサイトも覗いてみて下さい。

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