塗装の強い擦り傷が除去されるメカニズムがよく判りますよ!(動画解説)

こんにちは、リキュウコートです。

今回も動画の解説を行います。 


今回の動画は、「擦り傷」の除去についての動画です。 

※ №85の動画でご確認下さい。


動画で見て判るように、ドアパネルが酷い損傷を受けて凹んでいます。


これだけの損傷を及ぼす力の「擦り傷」ですので強い摩擦によるものと推測できます。 


しかし、傷は浅いと見えクリヤー塗装を剥がしていないので、マルチコート剤による磨きで 何処まで改善できるのか?を検証しました。

※ 強い力で損傷を受けたパネルの擦り傷 


これまでもコンパウンドを使わずに傷を消すという磨きを行って来ましたので、ある程度の予測は出来ますが、DIYサンダーの回転運動の無いポリッシャーでは実際に磨いて見ないと絶対とは言えないのが実情です。 


決して磨きでヘコミを直す事は出来ませんが、今回の様な擦傷による「擦り傷」は、今回の様な酷いヘコミを起こさなくても生じる「擦り傷」なので、今後参考になる磨き補修であると思います。


大まかな目安として、クリヤー塗装が剥がれていなければ、ある程度の改善が見られると思います。


程度にもよりますので、全てにおいて完全に傷を除去出来るとは言えませんが、磨きにより多少でも改善ができ、高額な修理を思い留まることが出来る事もあります。


※ 強い圧力によりパネルを変形させた擦り傷


ここでワンポイントアドバイスですが、磨きで何処まで改善出来るか?磨く前に推測出来る方法があります。 


少し汚い方法ですが、指先に少量の唾液を付け損傷部に対し塗り広げます。


すると唾液が付いた箇所が、少し色合いが変化(濃くなる)します。


その濡れた状態が磨きを行った仕上がりに、近い色合いが再現されます。


色合いだけではなく傷等の損傷部も多少変化します。


この簡単な方法で磨きによる塗装の改善が予測出来る目安となりますので参考にして下さい。


特に唾液でないといけない訳ではありませんし、水でも構わない事ですが唾液の方が粘度もあり長く留まるので見やすい為です。(不衛生だと思われる方は真似しないで下さい) 


今回も、傷が唾液(水)を塗る事により、ある程度目立たなくなりましたので磨きを行いました。

※ 現状の塗装面を濡らすとある程度の仕上がりが予測出来る


今回は大きな損傷によるヘコミがあり、一見すると役に立たない検証に思われると思いますが、この大きなヘコミにより磨き自体が難しくなります。 


また凹凸がある事により塗装を削ってしまう事になり易いので、「削らない磨き」の検証にもなりますので、あえて酷い損傷で検証を行っています。


動画というのは公に不特定多数の方に見られるものなので、他社商品のコンパウンドでの比較は控えておりますが、基本的にコンパウンドは研磨剤により削るメカニズムにより、今回の様な複雑な箇所で磨きを行う事が難しいのです。


その意味においても様々な損傷部での磨きを行う意味は大きいと思っております。


今回はパネルの縦方向に擦り傷が入っており、それを3箇所に分けて磨きの撮影を行いましたが、一番上の小さい擦り傷の磨きを最初に行いましたが、撮影のアングルが悪く、ほとんどDIYサンダーの頭部に邪魔され磨きの詳細が見られないという失敗がありました。


言い訳になりますが、傷の撮影は角度が少し違っただけで見えなくなってしまうので、傷が見える撮影アングルと磨き作業を同時に撮影する事は本当に難しいです。 


詳細が見えない為に「文字入れ」で解説し、そのほかの磨きでは邪魔にならない様に「文字入れ」は控え磨き作業に集中出来るように編集しました。


残りの2か所では磨きの詳細が見えるので、多少は参考になったのではと思います。


最初にコート剤が馴染む様に塗り広げ、その後に強い磨きにより不純物の除去後にコート成分を塗装面に浸透させるというメカニズムで磨きを行います。


コンパウンドと同じ動きで磨きを行いますが、コンパウンドでは傷の底まで塗装を削り傷を除去しますが、マルチコート剤の場合は逆で傷の上までコート成分を浸透させ傷を埋めるというメカニズムで傷を除去します。 


磨きの動きはコンパウンドも同様なのですが、違う点が一点だけあります。 その違いは、ポリッシャーを抑える力の入れ具合です。


コンパウンドは削る磨きなので力の入れ具合を損傷の程度や磨く箇所の状態により、力の強弱により調整する必要があります。 


その押さえる力の調整がなければ、不要に削ってしまう事になるので必ず必要になる技能です。 


その力の調整に経験が無いと行えないのが難しいとされる要因です。


逆にマルチコート剤の磨きでは押さえの強弱は不要です。


ある程度の一定の力で押さえて磨く必要があると言えます。 


一定の押さえた磨きにより、コート成分が摩擦により浸透しコート剤の力で完成して行きますので、コンパウンドの様な力の強弱があると上手く浸透が行えなくなります。


また初めの磨きで恐れるが故に軽い押さえで磨きを行うと、逆にコート剤が塗り込みに消化出来ない為に、コート剤の焼き付きが発生する事になってしまいます。 


この点だけを理解して頂ければ、経験の無い方の方がマルチコート剤の磨きに早く慣れると思います。


逆にコンパウンドの磨きの経験がある方の方が、経験が邪魔をして戸惑いがあるのではと予想されます。 


私が、不特定の方に販売を躊躇する理由は、この点を一番危惧しているからです。


一旦慣れればコンパウンドの様な力の強弱も必要なく、コート剤の能力で勝手に仕上がってくるので、これ以上簡単な磨きは無いと思います。


今回の検証では、ウールバフのみでの一回磨きの検証で行いましたので、完全除去が出来ない部分も少しはありましたが、繰り返しの磨きで改善が進むと思いますし、最後にスポンジバフによる「目消し磨き」を行えば、ウールバフによる摩擦により若干白っぽくなった塗装表面が、改善され深みのある光沢に仕上がると思います。

※ 塗装を剥がす事無く擦り傷を除去したウールバフによる仕上がり


今回は「擦り傷」の解説を行いましたが、いつもとは違った実践による磨きの解説が出来たのではないかと思います。 


最後までお付き合い頂き有難うございました。

気になった方はサイトも覗いてみて下さい。

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