絶対に真似をしてはいけない傷消し磨きって何ですか?~コンパウンドでは磨けません!(動画解説)

こんにちは、リキュウコートです。

今回も動画の解説を行います。


今回紹介する動画は、「決して真似をしてはいけない箇所での傷消し磨き」について解説します。

※ №79の動画でご確認下さい。


今回使用するパネルは軽自動車のバックドアです。

※ 今回使用した軽自動車のバックドアパネル


事故による交換修理で廃棄になったパネルですが、経年劣化の少ない3年程度のパネルだと推測できます。 

※ パネル右部の擦り傷の損傷 

※ パネル左部の擦り傷の損傷 


今回磨きを行う傷は事故で生じた傷ではなく、廃棄時に煩雑に扱われて入った擦り傷です。 擦り傷と言っても、地面なのかブロック塀なのか分かりませんが、石状のものに接触した様な傷です。


さほど大きくない傷ですが、パネル全体が劣化の少ないパネルである為に、パッとみて結構目立つ擦り傷で、通常であれば気になって修理に出す方も居ると思われる損傷です。


勿論、板金塗装修理で直す事は否定もしない事ですが、これだけの擦り傷を直すだけでも、パネル全体の塗装の塗り直しが必要になる為に、私の場合は「少しでも目立たなくなれば我慢できる」という方には参考になる磨きだと思います。


タッチアップという、車の塗装と同色の塗料が販売されていて、いわゆる「筆塗り」という一時的な補修もありますが、一見すると「筆塗り」って簡単そうですが結構難しく逆に目立つ場合もありますから、「筆塗り」をする前に出来るだけ磨きによる改善を行い、その上で最小限のタッチアップ補修を行うのが一番効果的ではないかと思います。 


まさしく今回の擦り傷がその条件にぴったりの損傷です。


見ても真似をしてはいけないのでは何の意味も参考にならないと言われそうですが、リキュウコートの「削らない磨き」の現象が役に立つ場所での磨きであり、磨きだけでも此処まで改善出来るという事が分かるだけでも見る価値はあると思います。


また今回紹介する擦り傷が、磨きの世界で一番難しいプレスライン付近やプレスラインのど真ん中にもありますので、コンパウンドの削る磨きでは真似が出来ない磨きですので、技術的にも高度なテクニックが必要とされる磨きです。

※ プレスライン上にある擦り傷とDIYサンダー(ダブルアクション)


今回も「削らない磨き」のマルチコート剤の磨きを行いましたが、コンパウンドで今回と同様な磨きを行えば、かなりの確率で塗装が剥がれると思います。 


コンパウンドであれば、かなりの技能を要しますが、「削らない磨き」ではリスクが軽減出来ますので、コンパウンドを扱うほどの職人芸は要しなくても、今回の様な磨きは可能です。


しかし、基本的にプレスラインやパネルの端(エッジ部)は塗装が薄く剥がれ易いので無理な磨きは避けるのが得策です。


真似は出来ない磨きですが、色んな意味で見て損をする磨きではないと思います。

※ 塗装も剥がれ爪が引っ掛かる擦り傷 


パネルの左右に擦り傷がありますが、両方とも最初はDIYサンダーで何処まで改善出来るのか検証しました。


DIYサンダーでもある程度の所までは改善出来ますが、今回の様な周囲がプレスラインに囲まれている場合やプレスライン上での磨きもあり、回転運動が無い為に、狙いを定めたピンポイントの磨きが難しいので、後半はギヤサンダーにて追い込みの磨きを行いました。


ギヤサンダーは回転運動がありますので、力を入れた磨きではなく摩擦の力を利用しコーティング成分を傷口に浸透・埋める様な磨きを行いました。


幾ら「削らない磨き」とは言え回転の摩擦がありますので力を入れ過ぎると、塗装が削られてしまいます。 動画で見て分かる様に、気刻みに移動しながら摩擦を一点に集中させない分散する磨きをおこない、少しずつですがコート成分を浸透させ埋めて行きます。


今回も作業前に、完全な傷除去は出来ない事は承知していましたが、何処まで改善できるのかを検証したかったので、無理な磨きは行いませんでした。


想定内の傷がわずかに残り、その傷口にコート剤が入っている為、白く目立ちます。 仕上げのミラーコート剤をスプレー散布しますが、保護目的だけではなく脱脂能力を利用して、傷口に残ったコート剤を除去するように塗り広げました。 


これまでも説明して来ましたが、下地処理のマルチコート剤の成分とミラーコート剤の成分が化学的な反応し、より強固な被膜形成が起こりますので、今回はウールバフの磨きのみでスポンジバフによる仕上げ磨きは省きましたが、仕上がり具合はまるでスポンジ仕上げを行ったかのような光沢に仕上がっていました。 

※ パネル右の擦り傷を傷除去磨きを行った仕上がり具合 

※ パネル左の擦り傷を傷除去磨きを行った仕上がり具合 


それは、ウールバフによる強い磨きを行わなかった事もありますが、ミラーコート剤の浸透能力と光沢性の高さが大きいと思います。


仕上がりの撮影でも分かる様に、マルチコート剤で仕上げた状態よりも、仕上がり感が増していたと思います。


そういう意味では、ミラーコート剤の役割は大きく、その役割(仕上がり性能)も含めて磨き作業の一部と言っても過言ではありません。 


今回の磨きも、これまでの経験上、どの程度まで修復できるのか?予想は出来ますが、絶対という保証はありませんので、マルチコート剤の磨きを終えた時点で、傷は残っていませんでしたが、ミラーコート剤の役割も含め、ある程度に仕上がるというのは見えていました。


傷の完全除去は出来ませんでしたが、一見すると施工前とは大きく違い、パッと見た感じでは一目で判るという事は無くなりました。


最初に言った、今回の様に磨きを行った後に、塗装が剥がれてしまった所だけを、最小限にタッチアプ補修(筆塗り)を行えば、より効果的な補修になると思います。

※ 磨き処理を行った後に行う最小限のタッチアップ補修


今回は真似はしてはいけない箇所での傷除去磨きを行いましたが、他の平坦な個所では今回の様な磨き補修が有効なので参考になればと思い動画で表現しました。


最後までお付き合い頂き有難うございました。

気になった方はサイトも覗いてみて下さい。 

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