コンパウンドと「削らない磨き」の傷消し能力の検証中に思わぬアクシデントが!(動画解説)
こんにちは、リキュウコートです。
今回も動画の解説を行います。
今回の動画は、3ヶ月位前に撮影し、お蔵入りしていた動画の解説です。
何故?お蔵入りしていたかというと、その頃は動画を編集する事が出来なかった頃で、何の解説も無く無編集で投稿するには誤解を生じさせる恐れがあったので自粛していました。
現在でも満足な解説が出来ているとは思いませんが、少なくても最低限の説明が出来るので投稿する事にしました。
また、この動画は2000番相当の傷消し能力を検証する動画で、研磨に優れている「プロ仕様のコンパウンド」と「マルチコート剤」の比較ですので貴重な検証動画である事と、偶然ですが検証途中にアクシデントがあり、その現象が貴重な症状が見られるので投稿する事にしました。
このコンパウンドは板金塗装修理で使用するコンパウンドで、個人的に一番信頼して愛用していた研磨粒子の粗い細目のコンパウンドです。
このコンパウンドはプロ仕様という事もあり、一般の量販店では入手できない商品です。
使用用途としては、再塗装を行った後の磨き処理で最初に行う塗り肌やゴミ・ブツのペーパーによる除去後のペーパー跡を消すなどの処理で使用するコンパウンドです。
勿論、ペーパー跡を消す細目のコンパウンドは他にも沢山ありますが、個人的に気に入っていた事が、誤魔化しが無いという点です。
私がよく例える誤魔化しとは、コンパウンドには使い勝手と見栄えを良くする為に油分入っている場合があります。
商品によって油分が少ないものから多い物まで様々ですが、油分が多いと磨きの作業で滑りが良いとか仕上がりが綺麗になる様なメリットがあり好む方も多いようですが、その油分はいずれ蒸発して消えてしまうものです。
特にお金を頂いて塗装修理を行うのですから、修理後も品質が維持出来ないと困ります。
確かに修理作業ではメリットがあるかも知れませんが、消えていたはずのペーパー跡が後から見えてくるというのは、お客様にとって裏切り・悲しませる事でもあり、職人として恥ずかしい事だと私は思います。
勿論、修理と言っても色々な要因から起こる現象もあり完璧という事はありませんが、最低限予防できる事は防ぐという意味で、予測がつく手抜きは絶対にしないというのが私の考えです。
その意味でも、このコンパウンドは研磨能力も高く余分な油分も少なく、後から傷が見えてくる様な事が無いコンパウンドなので、信頼が出来る為に愛用していた商品です。
しかし、作業者によっては仕上がり性が有りのままなので、その後の作業で目消し磨きが必要である為に嫌がる方も多いのも実情です。
それは、目消しが必要ないと誤魔化しの仕上がりになっているだけで、いずれ納品後に蒸発し手抜きが後から出て来るだけのことなので、被害がお客様に来るという誤魔化しにしか過ぎません。
私が強い磨きのウールバフの仕上がりに拘るのは、この事が大きく関わっている為です。
そういった意味では、今回の検証するコンパウンドとしては最強の商品と言えます。
今回の検証で使用するのはDIYサンダーで、分類としてダブルアクションサンダーで強制回転の無い偏芯運動のポリッシャーです。
本来は傷消しなどの強い磨きには適しない機械なので、今回使用するコンパウンドも初めて使用する検証です。
※ 2000番のペーパー傷をコンパウンドとマルチコート剤で比較
※ 初めてDIYサンダーにてコンパウンド磨きの傷消し
このDIYサンダーを3ヶ月程度使用し様々な検証で使って能力が高い事を、現在では認識出来る様になりましたが、撮影時はまだ経験が少なく半信半疑で使用していた頃です。
実際には通常の磨きで2000番相当の傷は難なく除去出来ました。
そして残り半面をマルチコート剤で同等の時間で磨きを終えました。
その後、両方の比較を行うのですが、その前に一時的な誤魔化しの磨き化を検証する為に塗装修理で使用する「シリコンオフ」という強い脱脂剤を使って余分な油分を脱脂しました。
最初に説明したように、誤魔化しの無いコンパウンドの為に多少の戻りはありましたが、一目瞭然と言うほどの変化は無かった様に思います。
そして両者の仕上がり具合を比較しますが、私が見る限りやはりマルチコート剤のウールバフの仕上がりは「目消し磨き」が不要に思える程の仕上がりの良さが感じる事が出来ました。
※ 左がコンパウンド細目、右がマルチコート剤のウール磨きの仕上がり具合
コンパウンドの方も傷戻りはマスキングの仕切り付近で見られましたが、大半では傷は消えていました。
しかし、全体として「細目」の粗い粒子による白くボケる様な症状は、マルチコート剤と比較すると多少目立つ感じに見えました。
そして、もっと近距離での撮影を行おうと近づいている途中で、何か違和感がある物が見えました。
レンズ越しで確認するとパネルのクリヤー塗装が剥がれている事が判りました。
※ パネル左のクリヤー塗装が剥がれた状態
そこからは、その剥がれが気になって思うような撮影が出来ないままに終了しました。
塗装の剥がれに動揺してまともな比較検証の撮影が出来ませんでした。
その為に中途半端な動画になってしまいお蔵入りにしていました。
しかし、一般の方はクリヤー塗装が剥がれる光景を見た事が無いと思いましたので、今回は良いタイミングであると思い投稿する事に決めました。
本当に想定していなかったアクシデントで、私も撮影中にレンズ越しに気付いたというのが実情です。
動画内でも説明しておりますが、このパネルは何度も検証動画として使用しており、ペーパー傷除去検証も、5回程度は行っていたので確実にペーパーでの研磨で塗装が薄くなっている状態でした。
その状態で研磨力のあるコンパウンドの磨きで一気に塗装が剥がれてしまいました。
誤解の無いように、いくら研磨力のあるコンパウンドでも一回の磨きでクリヤーが剥がれる事はありません。
また、初心者の方・一般の方を磨きに対し、むやみに怖がらせる悪意も一切ありません。
但し、度重なる磨きをコンパウンドで行うと塗装が薄くなり、今回の様なクリヤー塗装が剥がれるという事は実際にある現象ですので、クリヤーが剥がれるとこの様な状態になるという見本には最適な動画ではないかと思います。
剥がれた部分も、プレスラインではありませんが、曲面部で磨きが「面ではなく点で磨く」部分で塗装が剥がれやすい部分でもありました。
そういった意味では教科書通りの「磨きによる塗装の剥がれ」の現象だと思います。
そして、弱みに付け込む訳ではありませんし、たまたまかも知れませんがペーパーにより塗装が薄くなっていた状態はマルチコート剤で磨く部位でも同様だったとだけは申し上げておきます。
今回は予期せぬアクシデントから普段は絶対に見る事が出来ない、クリヤー塗装が剥がれる現象・状態が見える動画になったと結果的に貴重な動画になったと思います。
最後までお付き合い頂き有難うございました。
気になった方はサイトも覗いてみて下さい。
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