塗装の不具合をDIY用サンダー磨きで改善しました。~初心者上級編ウール磨き(動画解説)
こんにちは、リキュウコートです。
今回も投稿した動画の解説を行います。
今回の動画は、先日解説した動画の続きで、ブラックカラーの塗装に何等かの不具合が在ると考えられるフェンダーパネルの磨きです。
※ №49の動画で御覧下さい。
前回は、手磨きが困難だった塗装をDIYサンダーとスポンジバフによる初心者磨きを行いましたが、今回も「マルチコート剤」と同じサンダーを使いますが、今回は磨く素材をウールバフに変え、「初心者上級編」の磨きを行いました。
前回のスポンジ磨きで結果について解説しましたが、光沢と発色については非常によい改善が出来ました。
動画や画像でも改善出来ていますので良い事なのですが、私のプロの目線で見ると物足りない仕上りに思えてしまいます。
前回も言いましたが間近で見える塗装面にある微細な「ブツブツ」が気になります。
※ 前回スポンジバフで磨き仕上げた状態(近距離撮影)
また、いつもの様な鏡面光沢ではないという事が物足りません。
勿論、DIYサンダーとスポンジバフによる能力的な低さからコート剤の浸透が弱いという事も影響していますが、それ以上に塗装に問題があると思います。
塗装表面には目には見えませんが無数の穴が開いているのですが、その穴の密度の違いにより、見た目の塗装の綺麗さが別れると思います。
それぞれメーカーやカラーによって特徴や違いがあるのですが、今回の場合は違いというよりも塗装の不具合(不良)だと私は思います。
この様な塗装では、綺麗に手入れをしたとしても、長く綺麗な状態が保てないと思います。 解り易く極端な説明をすると、その無数の穴の大きさが大きいと、密度が粗い為に塗装面にツルツル感が少なくなります。
ツルツル感が弱いと光沢も弱くなり、ボケル様な鈍い光沢に見えます。
上手く言葉で説明出来ませんが、穴が大きい為にコート剤が一度で浸透出来にくい事により物足りなく見えるという事です。
吸い込みが多い塗装とも言えます。
この事からも手磨きでは改善しにくい塗装とも言えます。 とはいえ現実にこの様な塗装の車も存在するので、その場合の対処という意味で、今回はウールバフを使いました。
※ DIYサンダー・ウールバフによる磨き
これまでも解説してきましたが、スポンジよりもウールバフの方が掻き取る力も強いですが、コート剤の浸透力も強い為に、前回対処できなかった「ブツブツ」の除去と、吸い込みが大きく鏡面の様な塗装に出来なかったので、再チャレンジしてみてDIYサンダーの能力を検証したいと思います。
このDIYサンダーでは回転運動が弱い為に、スポンジとウールバフとの磨き方やテックニックの様な違いはあまりありません。
一番違う点は、スポンジは濡れた状態でも磨けますが、ウールバフは濡れた状態では性能が発揮されません。
それは素材の違いで、スポンジは水を吸収しやすいですが、逆に水捌けも良い事から、適度な水分でコート剤の性能が発揮されます。
しかし、ウール素材は水を吸収すると吸ったままになり、本来の掻き取る力や摩擦による浸透が弱まりますので、焼き付け防止の意味で霧吹き程度の水分が適量といえます。
どの機械を使用しても、この点が一番の使用法として違う点であります。
先程も言いましたがDIYサンダーは回転運動が弱い為に、ウールバフの掻き取る力は強いですが、扱う上でスポンジバフよりも極端に難しい訳ではありませんので、必要以上には怖がらなくてもいいと思います。
ただ気を付けないといけないのが、摩擦力は大きいので塗装の薄いパネルの端やプレスラインの様な角は、その事を意識して磨く必要はあります。
また、ウールバフはこの様な重い症状がある時に使用するもので、綺麗になると言っても同じ車で毎回や何度も磨く事は避けて下さい。
基本は綺麗になった塗装を定期的にクイックコート剤やミラーコート剤にてメンテナンスをする事が車にとっても優しい手入れです。 実際に今回DIYサンダーとウールバフで磨いた感想は、機械が「暴れる」事も無く、逆に塗装に密着して磨き易かったというのが感想です。
これは偏芯運動の2mmという能力が低い事が一番の理由です。 磨き専門の機械は5mmから10mmと大きい運動がある為に、ウールバフの様な素材は、ダイレクトに振動が伝わるので、「暴れる」様な感じを受けます。
プロの私でも「暴れる」と磨きにくいですし疲れます。 その点で2mmという弱い運動ですが、このDIYサンダーは電動式という事もあり、トルク(馬力)があるので、上手くバランスが取れていて、初心者の方にも安全で扱い易いのではないかと思いました。
今回の磨きの結果としては、「ブツブツ」も若干は残りましたが、スポンジバフよりもコート成分の浸透も強く行えたので、今回の様な問題のある塗装で使う効果はあったというのが結論です。
※ ウールバフ磨き後のスポンジバフによる「目消し」磨き
ウールバフによる磨きの後は「目消し」と「仕上げ」磨きという意味で仕上げ用(柔らかい)スポンジバフで仕上げます。
※ ミラーコート剤によるスプレー散布
※ ミラコート剤の散布後のマイクロクロスによる塗伸ばし
そして最後に「ミラーコート剤」の撒布による保護をこない完成です。
動画では違いまでは撮影出来ませんが、間近でみると違いは認識できます。
※ ウールバフによる磨き(左)とスポンジバフによる磨き(右)
※ 前回残っていた「ブツブツ」がウールバフ磨きにより減少した
もう一つ理解して欲しいのですが、ウールバフの使用を勧めているのではなく、働きの違いを知って頂くのが目的です。
今回の事例でもスポンジバフで定期的に磨く事で、コート成分の密度が上がって来るので無理をしてウールバフを使用する必要はありません。
私も早く動画でこの解説を行えるようにならなければいけないと思わされました。 今回は初心者上級編としてウールバフ磨きについて解説しました。
最後までお付き合い頂き有難うございました。
気になった方はサイトも覗いてみて下さい。
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