車のヘッドライトは強度はありますが繊細な素材って知ってました?~事前に理解し予防しましょう。

こんにちは、リキュウコートです。


今回は、以前施工したヘッドライト素材の特性と復元施工について詳しく解説したいと思います。


ヘッドライトの素材はポリカーボネート樹脂が使用されております。 


この樹脂の特性は、プラスチック素材の中でも一番耐性に優れている特徴があります。

※ マルチコート剤によるライトと塗装の復元施工のビフォ・アフター


成形の容易さや軽量で強度にも優れている事や、透明性に優れたというヘッドライトでの使用に適した特性により、20年程前から各自動車メーカーが以前はガラス素材であったヘッドライトが一斉にポリカーボネート製に移行して行きました。


確かに特性からいうとヘッドライトの素材に適していると思います。


しかし駐車場などでヘッドライトの黄ばみや白くボケた状態を結構見かける事があります。


これは、何故かと思うと思いますが、確かに成形された製品自体の強度は優れているとは思いますが、その反面においてポリカ素材表面は柔らかい事により、傷等が入り易い特徴があると思います。


また耐熱性に優れた特性も事実だと思いますが、これは製品として成形された状態での熱による変形や衝撃に対しての強度であり、先程の表面上においては「柔らかい」と同様に熱により、さらに軟化するという特性も実情であると私は思います。


その事から成形された製品本体の構造としての特性や強度と、素材自体の表面上での特性は違うと思います。 以前はハロゲン球が主流で使用されており、かなりの高温が発生しポリカ樹脂にとっては厳しい使用条件により、劣化が起こり易く黄ばみやクスミが発生したと思います。

※ マルチコート剤によるライトと塗装の復元施工のビフォ・アフター


もう一つの原因として考えられる事は、ポリカーボネートの特性として、アルカリ成分に弱い特性があります。


最近一般の方の投稿等で「ヘッドライトの黄ばみクスミ除去」という記事をよく目にする事がありますが、身の周りの水回り用洗剤を使用して簡単に除去出来ましたという動画などでも紹介されています。


確かにアルカリ成分に弱いという特性から、弱アルカリ成分という洗浄剤が車の洗浄でも販売され汚れの強いホイールやタイヤ洗浄で使用されていますが、この洗浄剤で黄ばみも簡単に除去されます。


しかし、除去されれば問題の解決とは言えません。


もう一つの特性としてポリカ樹脂も腐食するという特性もあるのです。


金属の「腐食・錆」とは意味合いは違うと思いますが、金属もアルカリ成分に弱いという特性は共通していると思います。


強い薬品(アルカリ溶剤)に弱い特性から、ポリカ素材の表面が「溶かされた」状態により黄ばみ等が一時的に除去されたという事も言えると思います。


一時的には改善しますが、ポリカ樹脂の場合は金属の様な「錆」は発生しませんが、腐食が進むと微細なひび割れが発生します。


そのひび割れに汚れが付着し易くなるなど、腐食による劣化が進行する事により黄ばみやクスミも重症化して行くというのが実情であり腐食のメカニズムだと思います。


また、腐食の重症化が進むと素材自体が腐食されるので表面上の改善が行われても根本の改善とは言えません。

※ マルチコート剤によるライトと塗装の復元施工のビフォ・アフター


この様な特徴を事前に理解し、強い洗浄剤(溶剤)を用いたメンテナンスを行う事や、コンパウンド等でむやみに磨かないというのが一番の劣化予防だという事を理解して下さい。


コンパウンドには研磨剤(研磨粒子)が入っている為に、微細な傷の原因になる可能性があります。

 

ここで少しでも改善する施工として、リキュウコートのマルチコート剤による磨き・復元の施工を紹介します。


マルチコート剤はコンパウンドの様に研磨剤は入っておりませんし、アルカリ成分も配合されていないので無用な傷の原因や腐食の原因にもなりません。


特殊クリナー成分により、黄ばみを除去し、コーティング成分である樹脂成分の浸透によりクスミを改善します。


今回は腐食の重症化が進んだ状態の為に、機械を使用し摩擦を利用した強制的な樹脂成分の浸透を行いました。


最初にウール素材のバフにより強い除去と浸透を行い、その後にスポンジ素材のバフを使用しウール素材の摩擦傷の除去と樹脂成分の浸透を行い仕上げます。 


この作業により極限まで表面上の傷が残らない様に仕上がります。


最後に表面保護としてガラスコーティング剤の撒布を行い保護しました。


しかし、先程解説しましたが、素材自体が腐食している可能性があるので、今回の施工で年単位の改善維持にはならないと思いますが、今後は定期的なハンド処理によるマルチコート剤によるメンテナンスにより急激な劣化を防ぐ事が可能になると思います。


この様にならない為に、ポリカーボネート素材の表面は繊細であるという事を理解した上で、日頃から相性の良いメンテナンスを行って保護する事が一番重要だと私は思います。


※ マルチコート剤によるライトと塗装の復元施工のビフォ・アフター


今回はヘッドライトの腐食による黄ばみクスミの復元について解説しました。


その他にも施工事例の記事が、ありますので是非参考にご覧下さい。  


最後までお付き合い頂き有難うございました。


気になった方はサイトも覗いてみて下さい。 

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