こんなに酷い劣化のバイザーを磨きで改善出来るのですか?~初心者でも可能です!(動画解説)
こんにちは、リキュウコートです。
今回も動画の解説を行います。
今回の動画は、近隣のディラーから磨きの依頼を受けた車の「雨よけバイザー」の磨き補修について解説したいと思います。
「雨よけバイザー」の磨き補修など興味が無い方もいらっしゃると思いますが、リキュウコートのコンパウンドを使わない「マルチコート剤」での磨きのメカニズムが目で見て判るので解説したいと思います。
またバイザーの素材はポリカーボーネットという素材でヘッドライトなどと同様の素材である為に、ヘッドライトの汚れのメカニズムも理解できるのではないかと思います。
そして今回の磨きの素材となるバイザーが貴重なくらいに劣化が重症化しているので、バイザー磨きに興味が無くても、何処まで改善出来るのか?見る価値があると思います。
簡単に症状を説明すると、15年経過した車で車全体に経年劣化が及んでおりますが、一番劣化が激しいのが「雨よけバイザー」でした。
一見するとバイザー全体が万遍なく艶消し状態になっており、表面にもザラザラとした質感が表面処理された、元々の素材ではないかと思えるほど劣化が進んでおります。
※ フロントドアの雨よけバイザー(施工前)
※ リヤドアの雨よけバイザー(施工前)
この様な症状を見かけた事はありますが、此処までの重症化した劣化を実際に磨くのは今回が初めてです。
その為に完全に磨きで復元・補修が出来るという確証はありませんが、マルチコート剤のクリナー成分と樹脂成分があれば、ある程度までは修復できるのではないかと予想しておりました。
最初にヘッドライトとバイザーが同様のポリカーボーネットの素材と説明しましたが、素材自体は同じ分類ですが製品それぞれの用途・強度に合わせて原材料の配合などを変えて製品化されていると思います。
また、雨よけバイザーの全てが劣化し易い訳ではなく、原材料の種類や配合によっても違うのではないかと個人的には推測します。
但し、ポリカーボーネットという素材は柔軟性・強度もありますが、耐薬品性に弱いという特性は共通していると思います。
その為に劣化には差がありますが、塗装面とは違う不純物の付着に特徴があるように感じます。
それは磨いた時に感じる事ですが、塗装表面に堆積する汚れとは明らかに違う性質の不純物が堆積しています。
今回の動画でも見る事が出来ましたが、ヘッドライトやバイザーの素材では粘着質な不純物が吸着されている点が、塗装面に堆積する不純物とは明らかに違います。
15年間の艶消しとなる位の不純物の堆積であっても、マルチコート剤のクリナー成分により瞬時に分解している事は動画でも確認できると思いますが、独特の粘着性により除去後でもバイザーに再付着し、絡みや焼き付きを起こしやすい特徴がみられます。
※ 磨き後の粘着質な汚れが付着したウールバフ
塗装面でもたまにある、塗装の硬化不良による光沢が無くなった塗装の磨きでも同様の症状が見られます。
原因はそれぞれに違うと思いますが共通しているのが、どちらも不純物が吸着し易いという点です。
吸着し易い表面になっている為に汚れが付着し易く、それにより光沢が減退するというメカニズムで繰り返し、磨き時においても剥ぎ取った汚れが再付着し絡みや焼き付きが起こり易いという症状が見られます。
以前も解説しましたが、ポリカーボーネット素材のライトやバイザーはデリケートな素材である為に、手入れも慎重に行う必要があります。
今回の事例は、あくまでも個人的な意見ですが素材自体に問題があるように思います。
今回は、初心者でも扱えるDIYサンダーと私が仕事で使用しているギヤアクションサンダーで仕上がり比較を行いました。
今回の様な重症の症状でも、マルチコート剤のクリーナー成分で不純物に浸透・分解し軟化させるメカニズムでDIYサンダーであっても容易に除去出来ました。
侵食が浅ければ樹脂成分の浸透で埋める事により目立ちにくくはなりますが、DIYサンダーでは摩擦力が弱い為に雨染みが残っていました。
※ DIYサンダーで3分間磨いたバイザーの状態
※ ギヤアクションサンダーにより3分間磨いたバイザーの状態
一方ギヤアクションサンダーでは、回転運動がある為に摩擦力が強い為、強制的な浸透力によりDIYサンダーよりは埋まる事が出来ました。
言い訳ではありませんが、塗装表面であれば埋められたと思います。
やはり塗装では馴染み易いという面で浸透力が増しますが、ポリカーボーネットでは塗装面と同じようには埋める事は難しいと改めて実感しました。
逆にコンパウンドでは、この雨染みを消せれるか?というと絶対に無理だと断言できます。
コンパウンドの削る磨きは塗装では有効ですが、プラスチック素材などの磨きでは削る効果はありません。
逆に粗い研磨粒子と摩擦熱により傷が多く入る現象が発生し易くなり、バイザーでのコンパウンド磨きはとても難しいのが現実です。
それはヘッドライト磨きでも同様の事が言えます。
今回は動画の中では2回磨きを行いましたが、回数を増やせばその分浸透が増しますが、今回の仕上がりで充分だと個人的には思います。
動画でもコメントしましたが、私が撮影で使用しているカメラは特に接写の感度が良過ぎる為に、肉眼では気にならない物までも映し出す性能があります。
動画の映像ではDIYサンダーは摩擦力の違いで雨染みが目立った様に見えましたが、実際の肉眼では十分綺麗に仕上がって見えました。
その意味でも、コンパウンドの磨きでは難しいバイザー磨きを、マルチコートの成分の能力で何の技能も要しないでDIYサンダーで改善出来る事は素晴らしいと自賛します。
まとめになりますが、素材は違いますがバイザーの透明な素材が塗装のクリヤー塗装と例えると、同じメカニズムで汚れが堆積する事により光沢が減退して行きます。
その汚れをクリナー成分により浸透し分解し軟化させ不純物を掻き取り、最後に樹脂成分の浸透により透明感が増して来るというメカニズムで塗装を復元させて行きます。
※ 15年間の劣化で艶消し状態になった雨よけバイザー
※ マルチコート剤により修復磨きを行った仕上がり状態
その事が少しでも理解して頂ければ「削らない磨き」のメカニズムが少しは納得できるのではないかと思います。
今回はバイザー磨きという意見興味も湧かない内容のようですが、実は奥が深い磨きのメカニズムが含まれていたので個別に解説しました。
最後までお付き合い頂き有難うございました。
気になった方はサイトも覗いてみて下さい。
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